スパイス王国、タイ料理の人気の秘密

タイ料理の代表、トムヤムクンをご存知でしょうか。クンとはタイ語でえびをさし、とうがらしだけでなく、香りや風味をつけるためさまざまな素材が入っている世界三大スープです。タイは食材が豊かな国。豊富な魚介類、果物、穀物、野菜が安く手に入ります。タイの人は野菜を好み、料理に使うだけでなくメイン料理を食べる合間にカピと呼ばれる味噌をつけて野菜を食べます。何十種類の野菜や、えび、かになどの魚介類がふんだんに使われているタイ料理、本日の記事はトムヤムクンのレシピなどを紹介しつつタイ料理の人気の秘密についてです。

まずはトムヤムクンのレシピから。パクチーファランという香菜を2センチ程度の長さにきり赤い唐辛子を添えて用意しておきます。鍋に水をはり、薄く切ったしょうが、バイマックルーの葉、タマリンド、レモングラスをいれ沸騰させます。新鮮なえびはよく洗い、背綿を取って頭と尻尾を残して殻をむいてしたごしらえをしておきます。鍋の水が沸騰したらえびをいれ灰汁をとります。えびのみそをいれ一度強く沸騰させてナンプラーとライムを搾り完成。簡単です。タイ料理というのは、野菜や香辛料は丸木を切った素朴なまな板の上で小さなナイフが振るわれ、実に優雅。

うつわに自家製のみそ、用意しておいたパクチーファラン、赤唐辛子をいれ、できたてのあつあつ、トムヤムクンをふんわりそそぎます。たったこれだけの料理ですが、レモングラス、しょうが、えびの味噌、バクチーファランなどがけして溶け合わず存在を主張し、なんともいえない味を作り出しているのです。

タイ人のとうがらしの消費量は世界一といわれています。市場などでは一山いくらで山のように売られています。日本でも関西は薄味、関東が濃い味と地域の違いがあるように、タイにも地方ごとに辛さの違いがあるようです。一般的にはバンコクの辛味は比較的マイルドで、南部やイサーンと呼ばれる東北地方などはそうとう辛い味を好むというのが通説になっています。タイ人といえども、子供には普通の料理では辛すぎるので、辛さを抑えています。成長とともに、少しずつ辛さになれていき、辛さのうまみを覚えていくわけです。タイ料理は辛いというのが一般的なイメージですが、実は辛さだけでなく、甘み、酸味にもきわめて特徴があるのです。 日本人の料理の上質とは、味が濃すぎないことをあげる人も多いと思います。上質なおいしい日本料理というのは、良く厳選された良質な素材をいかして独特の風味を作り上げ、砂糖やみそなどの調味料の味が表に出ないように控えめな味付けがなされます。調味料の役目はあくまでも素材の補佐。そんな文化に育った日本人にとって、タイ料理というのはなんでも味が濃く、素材の味がいかされていない、たくさんの香辛料を使いすぎ、辛くて甘くて酸っぱくてと味の統一がなされていないと考える人も多いでしょう。日本人が素材の味をなるべくけさないよう、引き出すように調理することを上質と考えるとしたなら、タイ人の上質とは、まったく逆なのです。辛味、酸味、甘みなどが混在していても、おのおのの味がはっきり識別できるほど味が独立していることが重要なポイントとなるのです。タイ料理をおいしくいただくコツは上質の逆転の発想からはじめることがポイントともいえるでしょう。

記事作成:12月02日【水】